コイルマットレスといえば「分厚い!デカイ!重い!」の3点セットでしたが、徐々に進化?(退化?)を遂げています。
この記事では「フレームを取り除いた薄型コイルマットレス」について分析。
どんなメリットがあるのか?そして他の寝具よりも優れているのかどうかを解説したいと思います。
折りたたみ可能・丸められるコイルマットレスの仕組みと特徴
枠がないから丸められる
今までのコイルマットレスは冒頭でも触れたようにデカくて重くて分厚いですよね。
家に搬入するのも一苦労で、処分するにも一苦労という代物でした。
しかし、2016年頃から「ロール梱包」された格安のコイルマットレスが登場。
コイルマットレスながら圧縮された状態で販売されているため、持ち運びも比較的容易になりましたね。
【関連記事】ニトリ 圧縮ロール梱包のコイルマットレスってどうなの?
仕組みとしてはコイルを囲うフレームを取り払ったことで、バネだけの状態にしたのがポイント。
下記画像のバネの上下についている太い金属枠ですね。
枠がないので後はバネを縮めてしまえば限りなく柔軟になります。
(金属枠の代わりにウレタンフォームで囲うパターンもあるようです)
耐久性は落ちてしまうものと思われますが、コイルマットレスにあるデメリットは少し軽減されましたね。
しかし、圧縮梱包を解いた後に再圧縮することができません。
圧縮加工は工場で特殊な機械を使っているでしょうから、一般家庭で圧縮することはまず不可能。
薄型コイルマットレスであれば折りたためますが、一般的な厚みがあるものは「買って持ってくるのが楽」以外のメリットはありません。
輸送や保管に絶大なメリット
そもそも枠がないコイルマットレスは「消費者のためなのか?」と考えると、そうではない気がしてきます。
なぜなら、圧縮梱包できると輸送や保管で絶大なメリットがあるため。
1万 以下の格安コイルマットレスの輸送費で数千 かかっていては利益も薄いでしょう。
だからこそコンパクトにすることが課題であり、その結果が「枠を取ってしまえ!」なのだと感じます。
そもそも高品質なマットレスメーカーで圧縮タイプのコイルマットレスを見たことがほとんどないんですよね。
唯一フランスベッドが1モデル出している程度です。
寝具メーカーにとっては願ってもないメリットだと思うのですが、品質面でまだまだクリアすべき壁が多いのかもしれません。
フランスベッド 真空パック ポケットコイル マットレス シングル
このDE-P100 ラ・ドゥーゼムもシングルサイズで25 000 程度とコイルマットレスにしては格安な部類。
とはいえ現状では1万 前後の超格安マットレスが9割を占めているという印象でしょうか。
寝心地や安定性はむしろ落ちた
寝心地や安定性については、レビューを見る限りあまり良いものではありません。
- 横揺れがひどい
- 沈み込みすぎる
など、コストダウンの影響を存分に受けている製品も多いようです。
そもそも論で「枠が不要だったら最初から付けてないでしょうよ〜」と考えると、枠を取る影響がゼロな訳ありません。
しかし、薄型のコイルマットレスなら高さがないぶん「一般的な厚みがあるコイルマットレスより横揺れは軽減されるのでは?」とも感じます。
地震が起きた時に1階にいる人と10階にいる人で揺れの感じ方が異なるのと同じ理論ですね。
それに加えて丸めるなどの変形にも融通が効くようになるので、省スペースを求められる日本的な進化のようにも思えたり・・・。
薄型コイルマットレスにはどんなものがある?
丸められるコイルマットレス「ねごこっち」
厚み10cmで敷布団のようにくるくると丸めたり、三つ折りにすることができるコイルマットレス。
価格がシングルサイズで2万 台前半。
高密度三つ折りポケットコイルマットレス
ポケットコイルマットレス シングル 三つ折り 高密度 折畳みマットレス ベッド用品 敷布団 コンパクト 来客用 XM14-S ルキット オフィス家具 インテリア
こちらは三つ折りウレタンマットレスのような3分割式のコイルマットレス。
この手の製品は金属枠がついているので、安定性は高そうですね。
厚みは9cm、価格はシングルサイズで2万 台前半です。
そもそも薄型コイルマットレスっておすすめなの?
高反発ウレタン全盛のいま、特に利点を感じない
コイルマットレスの寝心地が好きだと思うなら、中途半端なものではなくそれ相応の製品を買った方が満足できると思うのです。
逆に「とりあえず寝られれば」と思うならウレタンマットレスで十分である気がしますね。
三つ折りウレタンマットレスなら「もうこれ以上いいよ」って位ありますし・・・。
また、ウレタンを中材にした敷布団「ウレタン敷布団」を選べば丸めることも可能でしょう。
(そもそも丸めたいと思う状況が見当たらないのですが・・・)
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コイルもウレタンも水洗いは基本的に無理
どちらの素材にしても、芯材の水洗いは原則不可能。(カバーは除く)
高反発ファイバー素材を用いたエア系マットレスなら洗えますから、おねしょ対策などで洗えるマットレスが目的ならエア系がおすすめです。
あとは「天日干しできるかどうか?」くらいですけど、ウレタンの天日干しは劣化を危険性があるので避けたほうがよいでしょう。
逆に「丸められるコイルマットレス」なら可能です。
でもですよ、天日干しって「湿気を溜まりやすい綿入り敷布団」だから意味があるような気がします。
天日干しによる消臭や殺菌の必要性もやっぱり湿気が溜まりやすい(カビやダニ・雑菌が繁殖しやすい)からこそ求められる訳で・・・。
その点コイルマットレスって内部は金属バネがメインなので通気性はかなり良い方です。
唯一綿っぽさがあるのはカバー部分ですから、カバーだけ洗って干せるなら天日干しの必要性を感じません。
それなら「あえて枠なしの薄型コイルマットレスを選ぶ意味って何なんだろうか?」と考えてしまいますね。
結論
軽さや性能を求めるならウレタンor高反発ファイバー素材
コイルマットレスがダメというわけではないのですが、あまりにコストダウンされている製品を選ぶことに疑問を感じます。
一般的に寝具メーカー製のコイルマットレスならシングルで10万 〜は見ておきたいところですからね。
もし軽さや性能を求めるというのであれば、高反発ウレタンや高反発ファイバー素材を芯材にしたマットレスが良いと考えます。
ウレタンなどの素材はシングル3万 台から高品質な選択肢も増えてくるのもメリットでしょうか。
参考になれば幸いです。