いつのまにか「ファミリーマットレス(ファミリー布団)」という言葉が一つの分野として定着しているようです。
といっても、単なる「繋げて使えるマットレス」なのですが、デメリットを考えてみました。
「家族で使うならファミリーマットレスを選んだ方がいいよね」は本当なのでしょうか?
ファミリーマットレスの特徴とデメリット
ウレタンマットレスにマジックテープがついているもの
例えば3人家族で床に敷布団を敷いて寝るとします。
父と母の間に子供が挟まって寝るスタイルですね。
- シングルサイズの敷布団やマットレスを2枚で3人寝る
- ダブルサイズ以上のマットレス1枚に3人寝る
およそ上記のような構成が一般的になるかと思います。
ダブルサイズ以上ならともかく、シングルサイズ2枚だと継ぎ目ができるので中心は「とても寝にくいポジション」なんですよね。
加えて各々の寝相で布団がズレたりすると、真ん中にいる人は色々と災難。
そこで作られたのが「マジックテープで連結できるウレタンマットレス(ファミリーマットレス/ファミリー敷布団)」です。
寝ている時に隙間ができないようマジックテープで固定できる他、連結枚数により豊富な横幅に対応。
幅300cmのワイドキングなら間に子供を3人入れても余裕があります。
ちなみに厚さ12cmのシングルサイズで価格が24 623 ですから、3枚購入すると73 869 ですね。
1枚あたりで見ればもう数千 で寝具メーカー品のマットレスも検討できるのですが、このマットレスは品質がよくわかりません。
とはいえ、これだけ広いと文句もなさそうですがデメリットを考えてみたいと思います。
【デメリット】一体化させることで乾燥が面倒⇒カビの原因に
これらマットレスは連結を離せば三つ折りにして畳むことができます。
しかし「ズレないように」という目的を果たすためには常に連結した状態にして使いますよね。
ということは「マットレスを乾かす度に連結を離し、また連結しなおす必要がある」と言えませんか?
これって想像以上に面倒くさいので、いつのまにか「まぁ、カビないでしょ」と敷きっぱなしになる可能性が大。
しかし、人間は一晩にたくさんの汗をかきます。
それも大人二人、に代謝の良い子供もいますから一晩で溜まる汗は相当な量になるでしょう。
環境にもよりますがカビない理由がありません。
床や畳に直接敷く場合、昔ながらのように別々の布団に分かれている方がなんだかんだで取り回ししやすいのです。
見た目にこだわりたいなら素直にベッドにして通気性を上げるべきでしょう。
ファミリーマットレスの必要性はあるのか?
「ズレない処理」ができれば10cm位の高反発マットレスでも同じこと
ファミリーマットレスはマジックテープが付いていること以外は普通のマットレスです。
推測ですが「連結できるマットレスならファミリー層に売れる」とこのようなネーミングにしたのではないでしょうか。
多くの製品は連結して広々使えることばかりアピールしており、マットレス自体の品質もよくわかりません。
あまり言葉に縛られると「微妙な品質の微妙な製品を掴まされてしまう可能性」すら出てきます。
それなら「高反発マットレスに滑らない処理をする」ほうが独立させやすく使いやすいのではないでしょうか?
マットレスをズレないようにすることなんて難しい技術でもなんでもありません。
例えば、滑り止めマットや滑り止めテープが有効でしょう。
また、ベッド用マットレスの連結バンドも厚みがあれば使えるかもしれません。
グルっと回してカチッと一箇所留めればいいだけなので、マジックテープよりも簡単です。
敷きっぱなしにしたいならエア系マットレスを検討
ファミリーマットレスに用いられる素材はほとんどがウレタン素材です。
ウレタンはどうしても湿気を貯めやすく、床敷きするとカビやすいんですよね。
一度カビると取れませんし、クリーニングに高額なお金を払うなら買い替えた方が精神的にもいいでしょう。
しかし、「そんなコト考えたくない」なら厚みのあるエア系マットレスを複数枚並べるのがおすすめ。
エア系マットレスとは、上記のような高反発ファイバー素材を芯材に使ったマットレスのこと。
とても通気性がよく、汚れたらお風呂場で水洗いすることも可能です。
子供であれば「おねしょ」の心配もありますが、一般的なウレタンにおねしょが染み込んだ場合は水洗いできません。
絞ることもできず、自然乾燥を待つためニオイも強く残り廃棄ルートまっしぐら。
その半面、エア系マットレスなら染み込まないため芯材をスルーして床に溜まります。
濡れるとしても、水洗いできるマットレスカバーくらいでしょう。
アイリスオーヤマのエアリープレミアムマットレスなら厚み12cmでシングルサイズ1枚36 800 。
3枚揃えると110 400 +滑り止め代となりますね。
ファミリーマットレスじゃなく、このような選択もアリだと思うのです。
ベッドカバー・シーツもワイドサイズは洗いにくい
ただでさえ、一般家庭の洗濯機でシーツや敷きパッドを洗うのは面倒ですよね。
シングルサイズでも乾かす場所を取られるため、これ以上大きくなると色々とやっかいです。
ワイドキングの場合、洗濯機によっては満足に水流を作れずちゃんと洗えない可能性もあるでしょう。
まさか洗わず使い続ける訳にもいかず、かといってマットレスに何もカバーを敷かない訳にもいきません。
継ぎ目がない真っ平らな見た目は清々しくインテリア的にも見栄えが良いですが、取り回ししにくいことは覚悟しましょう。
さいごに
手入れのことも考えた選択を
インテリア性や見た目だけではなく「みんなで寝ること、その寝具を清潔に保つこと」も考えた選択をしたいですね。
特に小さな子供と寝るからこそ、シックハウスやダニ対策も意識したいところ。
参考になれば幸いです。