有名アスリートを起用したCMやプロモーションで知名度を上げている東京西川の「AiR」シリーズ。
体圧分散性に優れたプロファイル加工(凹凸加工)をメインに「点で支える高性能寝具」というイメージも浸透してきているでしょう。
ご年配の方であれば睡眠の質に興味を持つ方も多く、「寝具なら西川」というブランド性と相まって関心を寄せている人も多いと思います。
東京西川AiR(エアー)のマットレスを解析すべく、実物に触れてきました。
東京西川AiR(エアー)について
有名アスリートを起用したスポーティーなデザイン
東京西川AiRのCMを観た方ならご存知だと思いますが、著名なスポーツ選手が登場していますよね。
野球では大谷翔平選手や田中将大選手、サッカーでは三浦知良選手やネイマール選手と大物揃い。
寝具メーカーは何かとプロスポーツ選手を広告塔としていますが、彼らから睡眠の重要性を説明されることが最も私たちに響くのかもしれません。
それはさておき、AiRの製品は「高機能・高性能」からくるスポーティーなイメージを推していますね。
マットレスの側生地にはメッシュ素材が使われやすいため、素材の面からもこの手のデザインとの親和性が良いのでしょう。
正直好みは分かれる所だと思いますが「高機能・高性能」なイメージはバッチリ。
(その反面「高級感・ラグジュアリー感」という方向とは逆に走っていると言えます)
「点で支える」プロファイル加工マットレス
東京西川AiRのマットレスは全てプロファイル加工が施されています。
「凸凹が体圧を分散し、体に優しい寝心地が得られる」という事で競合メーカーでも数多くこの加工を採用していますね。
ただし、他社との違いとしては「プロファイル加工+層構造」
画像のように凸凹が層のように色分けされていますが、これはただの見た目の演出ではありません。
色の違う部分はウレタンの硬さが異なっており、層構造にすることで絶妙な寝心地の違いがつけられるとのこと。
同じウレタンで構成するより手間はかかっている感じがしますね。
東京西川AiR(エアー)のマットレス3モデルの特徴
東京西川AiR(エアー)のマットレスには「ホームコンディショニング」と「ポータブルコンディショニング」という大きな分類があります。
- ホームコンディショニング・・・家に据え置いて使う用途(ごく一般的なマットレス)
- ポータブルコンディショニング・・・丸めて持ち運ぶ用途(外出先でも同環境を再現できる。遠征用?)
「ポータブルコンディショニング」は少し特殊なのでこの記事では省きます。
「ホームコンディショニング」にはさらに3種類の「◎◎モデル」というタイプ分けがあり、これらを理解していないと選択を誤る可能性があるでしょう。
また、全モデルには「マットレスタイプ」と「ベッドマットレスタイプ」が存在します。
- マットレスタイプ・・・床や畳・既存のマットレスの上に敷くタイプ
- ベッドマットレスタイプ・・・ベッドフレームの上に単体で敷くタイプ(マットレスタイプより厚みがあり、下部が硬くできている)
ファーストモデル
ファーストモデルに分類されるモデルは「AiR01(エアー01)」と「AiR01 SE(スペシャルエディション)」の2つ。
東京西川AiRシリーズの中では下位グレードに位置するモデルですね。
プロファイル加工部分の3層構造に加え、硬さの違う2つのバリエーションが存在します。
BASICが100N(ニュートン=硬さの単位)で、HARDが120Nですね。
【関連記事】マットレスの硬さN( ニュートン)は腰痛に関係するの?
マットレスタイプは厚みが8cmですが、ベッドマットレスタイプは厚みが14cmになり下部が白いのも目印。
価格はマットレスタイプ(シングル)で38 000 、ベッドマットレスタイプ(シングル)57 000 。
両者で価格差は2万 ほどあるので選ぶ際は間違わないように注意してくださいね。
【AiR01とAiR01 SEって何が違うの?】
僕自身が疑問に感じたことなのですが、パンフレットを比べてみても性能的な違いは見当たりませんでした。
強いて言えば側生地の色と、メッシュ切り替えのデザインが違いますね。
価格も同じなので「AiR特別デザイン」みたいなニュアンスで受け取るとよいのでしょうか・・・。
ゼロスリーモデル
ゼロスリーモデルはファーストモデルよりもグレードアップしたマットレスと言えますね。
製品は1つで「AIR 03(エアーゼロスリー)」が該当します。
ファーストモデルの3層構造に加え、ベース部分も違うウレタン素材にしているため全体で見ると4層。
画像にあるようなカーブスリット加工も施し通気性を向上させています。
こちらはBASICが90NでHARDが120N。
マットレスタイプの厚さは9cmで、ベッドマットレスタイプは14cm。
価格はマットレスタイプ(シングル)で58 000 、ベッドマットレスタイプ(シングル)88 000 。
ゼロスリーモデルから一気に値段が上がってきましたね。
ファーストモデルは高品質マットレスの中でもまだ手が出しやすい価格帯ですが、このあたりから慎重になる方も多いでしょう。
プレミアムモデル
AiRシリーズの中では最上位グレードに位置するプレミアムモデル。
「AiR SI(エアーエスアイ)」という製品が該当します。
SIとはSPINE IDEALIZERの略であり、単語自体はSPINE(背骨)IDEALIZE(理想化)という意味。
シリーズの中でも特に「寝姿勢の最適化」にこだわった1枚だと言えますね。
「AiR SI」だけは「AIR 01」や「AIR 03」と根本的に構造が異なっており、プロファイル形状からもわかります。
今までよりもよりブロック感があり、3ブロックごとにスリット(溝)が入っているのが特徴。
近くで見ると表面の赤いウレタンはキメが荒く、黒いウレタンはキメが細かいですね。
種類の違うウレタンやスリットで通気性も向上させていると共に、ガッシリと力強い印象も受けます。
硬さは2種類ありREGULARが100NでHARDが115N。
マットレスタイプの厚さは9cmで、ベッドマットレスタイプは14cm。
価格はREGULARマットレスタイプ(シングル)で76 000 、HARDマットレスタイプ(シングル)で88 000 。
REGULARベッドマットレスタイプ(シングル)114 000 、HARDベッドマットレスタイプ(シングル)132 000 。
東京西川AiR(エアー)のマットレスの印象と評価
三つ折りしたい人には適さない
ウレタンマットレスの通気性は年々改善されていますが、それでもなお敷きっぱなしはよくありません。
たまにはしっかり乾燥させてあげる必要がありますが、3つ折りじゃないので乾燥させにくいのがポイントでしょうか。
折り目がない分マットレスとしての見た目は美しいんですけどね。
プロファイル加工に意識がいくとつい「三つ折りの有無」を忘れてしまいがちなので注意してください。
プレミアムモデルにあまり魅力がない
ファーストモデルのAiR01やゼロスリーモデルのAiR03は個人的感覚として納得のいくものでした。
しかし、プレミアムモデルにおいては「モノの割にはちょっと高いかなぁ」という印象。
品質が悪いとかそういう事ではなく「これでプレミアムモデルかぁ」みたいな・・・。
実際にお店で寝比べてみましたが「これなら高くてもプレミアム選ぶわ」とならなかったのが残念なんですよね。
個人的な感覚で言えばファーストモデルで満足です。
色々とゴチャゴチャしている
「ホームコンディショニング」と「ポータブルコンディショニング」から始まり、ファーストモデルやゼロスリーモデルなど、混乱を招きかねない分類だなぁと感じました。
さらに「マットレスタイプ」と「ベッドマットレスタイプ」、「BASIC」や「HARD」など説明を受けると・・・だんだん萎えてきませんか。
この記事では紹介していませんが、他にもベースマットやらレイヤーやら色々関連製品があります。
まるで睡眠がスポーツであるかのような錯覚をしてしまうのは東京西川AiRの思うツボなのかもしれません。
ただ、西川のブランド感が浸透しているご年配層だと尚更わかりにくいだろうなぁ〜という推測。
当サイトとしては昭和西川の「ムアツふとん」がシンプルでわかりやすいのでおすすめしたくなりますね。
こちらも「点で支えるマットレス」ですが、東京西川と昭和西川は別物です。(そもそもここからゴチャゴチャしてる)
【関連記事】西川のマットレスならどれが腰痛対策におすすめ?
デザイン的にもシンプルですし、イメージキャラクターにマツコ・デラックスさんを起用している点もお茶の間を意識してでしょう。
さいごに
スポーティー重視ならライズもアリ
東京西川AiRはデザイン含めスポーティー路線で突き抜けていますが、近しいメーカーとしてはRISE(ライズ)が挙げられます。
ライズもまた輝かしい記録を残したプロアスリートと共に開発を行っており、価格も比較的お手頃。
下記ライズのレビューもマットレス選びの参考になれば幸いです。