テクノジェルといえばピロー(枕)が有名ですが、枕だけではありません。
マットレスも2017年9月時点で2モデルをラインナップしています。
広範囲に貼り巡られたテクノジェルは圧巻ですよね。
でも寝心地や耐久性はどうなのでしょうか?あるいは「金額に見合うだけのものはあるの?」と気になる方も多いでしょう。
今回はテクノジェルのマットレスについて個人的な印象を書いてみたいと思います。
テクノジェル基礎知識
イタリアの医療用素材が原点
テクノジェルはもともと医療に使う素材であったそうです。
身体に負担のかけず床ずれを防ぐ素材としてイタリアで開発されたのち、1991年にドイツと共同で車椅子シート。
翌92年には手術代用シートとして発展していきました。
その後も以下のように医療からスポーツ、そして日用品(寝具)へと昇華していったとのこと。
- 1994年 自転車用サドル
- 1999年 靴底クッション
- 2003年 自動車のシート
- 2007年 枕
実に開発から25年が経っており、意外と歴史を感じますよね。
上下左右に動く3D素材で体圧分散性に優れる
テクノジェルはその弾力性と吸い付くようなフィット感から人の荷重に対し自由自在に対応。
ウレタンでは上下の体圧のみに作用するところを、テクノジェルは上下左右に作用すると説明がありました。
確かにプルプルしたジェル状の物体って横揺れも吸収してくれますよね。
また、テクノジェルの特性として「気温の変化を受けにくい」というメリットがあります。
こちらは今のウレタン素材でも同じような特性を持っているため、特筆すべき点ではなくなりつつありますが。
テクノジェルを使ったマットレス
Technogel Sleeping Armonia(テクノジェル スリーピング アルモニア)
まず価格から申し上げると・・・以下のようになります。
- シングルサイズ・・・ 245 000
- セミダブルサイズ・・・ 295 000
- ダブルサイズ・・・ 345 000
マットレスにしてはやたらと高級品。
まぁ厚さが22cmで重量が25kg〜35kgなので完全にベッドマットレスみたいな感じですよね。
「アルモニア」は後述する「ピアチューレ」と比べてしっかりした寝心地が特徴とのこと。
具体的にジェルが硬めなのか?ウレタンが硬めなのか?の説明がないので少し不親切ですね。(こんな高価なのに・・・)
ちなみに重量から見て「マットレス全体がテクノジェルなんじゃないの?」と思った方もいるでしょう。
僕も最初はそう思ったのですが、実際は「ウレタン+テクノジェル」という枕と同じような構造です。
付属のベッドカバーで見えませんが、カバーを取ると表面に約1cmのテクノジェルが貼り巡らされているのですね。
Technogel Sleeping Piacere(テクノジェル スリーピング ピアチェーレ)
見た目は「アルモニア」と全く変わりませんが「ピアチューレ」は柔らかめに出来ているそうです。
個人的にテクノジェル自体の硬さを変えている訳ではないと思うので、ウレタンが微妙に違うのだと・・・。
ちなみにこちらも下記の通りだいぶ高級品となっております。
- シングルサイズ・・・ 245 000
- セミダブルサイズ・・・ 295 000
- ダブルサイズ・・・ 345 000
テクノジェルピローは価格帯が2万 〜4万 の間にかたまっており、高品質快眠枕の相場とちょうど良いか少し高い程度。
枕ならまだしもマットレスはおいそれと買える値段ではなく悩んでしまう人も多いでしょう。
ただ「20万以上の価値が本当にあるなら・・・」それだけのお金を掛けても後悔しませんよね。
テクノジェルマットレスについての疑問
厚さ1cmのテクノジェルはどう仕事してくれるのか?
公式サイトに表記されていたマットレスの厚さは22cmです。
一方テクノジェルの厚みは1cm。
「残り21cmがウレタンフォームである」と暗に言っているようなものですが、この1cmのテクノジェルにあまり「おぉ!」というイメージが湧きません。
例えば「スニーカーや革靴のインソールとして1cmのテクノジェル」だったら納得いきます。
歩いている時の衝撃を吸収しそうなイメージがしっかりとできるから。
でも、寝ている時って激しく動くことはないですし、衝撃が加わるようなこともありません。
ましてや土台がウレタンフォームなのですから「体圧を受けているのはほとんどウレタンなのでは?」とさえ感じるのです。
もちろんこれは僕個人の勝手なイメージ。
三菱鉛筆が2003年に販売した「ユニ アルファゲル」というシャープペン・ボールペンのブランドがあります。
これは硬いペン軸をαゲルで覆っているからαゲル自体のフィット感を感じられるのだと・・・。
もしペン軸がゲル同様に柔らかかったら、それはゲルの純粋なチカラじゃなくなると思うんですよね。
布カバーのかけられたテクノジェルについて
テクノジェルという素材自体には他の寝具にはないインパクトがありますよね。
だからこの青いジェル状の物体を全面に見せていくのは良いと思うんですが、実際にこの青いジェルシートに肌は付けません。
ジェルシートと肌の間には「(マットレス/枕)カバー」という布が1枚挟まれる訳です。
という事を頭に入れた上で、下記のような表現を見ると違和感を感じてしまいませんか。
特に拳を押し当てて「上下左右感」を演出している部分は「テクノジェル自体のグリップ力」みたいな所が大きいと思うのですね。
カバーを付けるというのはそのグリップ力を殺すことになると思うのです。
なんでしょう・・・「ゴム製のペン軸に布を巻いたら少し滑りやすくなるよね?」みたいな。
厚みがあるならそれでもまだわかりますが、テクノジェル部分は1cmですし。
※実際に試し寝などはしていないのであくまで個人的な印象です。
テクノジェルマットレスについての感想
何はともあれ手の出しにくい価格がネック
適切な体圧分散性の高品質なウレタンマットレスは3万 台から買えます。
ベッドマットレスとして厚みが欲しい場合でも10万〜15万 でしっかりした製品が数多くあるため、テクノジェルマットレスは価格面では圧倒的に不利。
もちろんテクノジェルという歴史ある素材を用いていることや、品質を高めている点も見受けられます。
ただ「20万オーバーまで出さなくても満足できるマットレスの選択肢は多い」というのが本音。
仮に他人に見せて「うちこんなん寝具使ってまっせ!」とドヤれるかというと、インパクト大なテクノジェルはカバーで隠れちゃいますし・・・。
もちろん「テクノジェルじゃないといけない理由」が明確にあるなら問題ありません。
特殊仕様の新次元快眠マットレスならこれもアリ
テクノジェルのようにジェル素材を使っている訳ではありませんが、ある程度予算が付けられるなら選択肢に入れたい1枚を紹介します。
ライズという日本の寝具メーカーから出ているケイティーンマットレス。
品質と性能に定評があるライズはプロアスリートのみならず、スポーツ選手ではない人も「ライフアスリート」として睡眠向上をサポートしているのが好印象なんですよね。
こちらのマットレスは面白い構造でありながら控えめの価格設定が特徴。
- シングル 99 990
- セミダブル 149 990
- ダブル 199 990
マットレスの特徴は下記の記事で具体的に触れているので、興味のあるかたは参考までに。
【関連記事】ライズのK18 3Dブロックベッドマットレスがすごい!
結論
素材のインパクトも大事だけど
寝具の素材や構造ってメーカーによって違いがあり、そこが面白くもあり悩ましい所。
個人的にインパクトのある寝具や先端を行っているメーカーは大好きで、テクノジェルも普通にカッコイイです。
でも「いざ使ってみたらどうか?」を考えると、見た目の印象とはまた違う感想が出ることも・・・。
下記の記事もマットレス選びの参考になれば幸いです。