- 「体圧分散性に優れたマットレスを選びましょう」
- 「このマットレスは体圧分散性に優れており寝心地が抜群」
マットレスや敷布団、枕を探していると100%と言ってよい位に「体圧分散」という言葉を目にしますよね。
当サイトでも多用していますが「体圧分散性って具体的に何なの?」と疑問に思っている方も多いでしょう。
また「体圧分散性が寝心地や寝具としての価値を左右する全てなのか?」という点についても解説したいと思います。
体圧分散性とは何者か?
身体に加わる圧力=体圧である
- 人が椅子に腰掛けると、お尻に体圧が加わる
- 人が立ち上がると、足の裏に体圧が加わる
このように、自分自身の身体を支える面と触れ合っている所には「体圧」がかかります。
では、マットレスや敷布団に横なっていると体圧はどのように加わるでしょうか?
寝姿勢の場合、頭や肩・腰やお尻・踵といった部位ごとに異なる体圧が発生します。
そのとき「体圧分散が適切なマットレス」と「体圧分散が不適切なマットレス」では下記のような差が生まれるのですね。
体圧分散性が適切であると、部位ごとに異なる体圧を調節し直立姿勢に近い「理想的な寝姿勢」を作ります。
しかし、不適切な体圧分散性だと例えば腰だけが異常に沈み込むなど、理想的な寝姿勢にはなりません。
よくマットレスの説明でこのような画像があるはずです。
これは体圧測定器を用いて、マットレスや布団に寝た時の圧力の違いを視覚化したもの。
上記の画像では「お尻や背中に強い圧力がかかりやすい」ということがわかりますね。
一般的に厚く柔らかいものは体圧分散性に優れる
体圧分散性を良くする上で必要な要素が「柔らかさ」と「厚み」です。
例えば、人が座れるビーズクッションの大きいタイプなどは体圧分散性が高いでしょう。
一般的に「フカフカで気持ちいい!」というものは体圧分散性に優れていると言えます。
ですが、睡眠をより良いものにするためには過度な体圧分散性はかえって邪魔になるのですね。
なぜなら、寝返りが打ちにくくなったり蒸れてしまう難点があるため。
睡眠中は意識がないため「出来る限りストレスにならないフラットな環境」が求められるということ。
体圧分散性は人の毛細血管に影響する
体圧分散性が不適切だと寝姿勢が崩れると書きましたが、それだけではありません。
過度に体圧がかかった部位の毛細血管は閉塞状態となり理想的な血流にならなくなってしまうのですね。
- 長時間正座すると足が痺れてしまう
- 硬い床に寝たら身体が痛くなり頻繁に姿勢を変えたくなる
このような経験がある方は多いと思いますが、これらも「体圧分散が不適切」であった事による影響だと言えます。
つまり「硬すぎてもダメで、柔らかすぎてもダメ、部位ごとに体圧を調節して理想的な寝姿勢を維持する」という絶妙なコントロールをしてくれるのが理想的な体圧分散マットレスだと言えますね。
体圧分散性の理想的な素材とは?
スタンダードはウレタンフォーム
体圧分散性という言葉と共に広まったのがウレタンフォームではないでしょうか。
今や綿入りの敷布団を使っている人は少しずつ減っているのではと感じています。
ウレタンフォームには「低反発」と「高反発」がありますよね。
低反発といえば、ゆっくり沈んでゆっくり戻る特性を持ちますが、これも体圧分散性には優れている素材でしょう。
しかし、反発力が弱いため「身体の部位によって適切な体圧分散調節をできるか?」という点では疑問が残ります。
さらに身体の形に沿って沈み込んでしまうため、蒸れやすく寝返りが打ちにくくなるというデメリットも考慮すべきですね。
それらのデメリットを解消したものが高反発ウレタンフォーム。
しかし「高反発ウレタンフォームならなんでもいいのか?」というとそうではありません。
どんなモノにも品質レベルがあるように、低品質なモノだと適切な体圧分散性能が得られないこともあるでしょう。
コイルマットレスの体圧分散性は?
コイルマットレスには「ボンネルコイル」と「ポケットコイル」があります。
両者で言えば圧倒的にポケットコイルの方が理想的な体圧分散性を有していると言えますね。
というのも、ポケットコイルは各スプリングが独立して荷重を受けるため。
その反面、ボンネルコイルマットレスは各スプリングが全て連結された状態です。
そのため寝心地の硬さではボンネルに軍配が上がるものの、体圧分散性能はポケットコイルよりも劣るでしょう。
どちらにしても、布越しに金属スプリングがそのまま身体に触れるのではなく、ウレタンシートなどが何層かに分かれて配置されています。
(安いコイルマットレスはマットレス上部が薄く金属スプリングの当たる感触があるものも存在するため注意して下さい)
そう考えると「やっぱりウレタンって理想的な素材なんだな」と思ってしまいますよね。
適切な体圧分散性能で人気のおすすめマットレストップ3
モットンジャパン「腰痛対策マットレス モットン」
日本の腰痛対策マットレスとしては一番売れているのではないか?というほどのベストセラーであるモットン。
ショッピングモールやデパートには置いておらず、完全にネット通販でしか買えないため知らない人もまだ多いですが、品質は抜群。
僕が初めて使った高品質マットレスはモットンなのですが、今でも愛用しているほど完成度が高いと思います。
体重によって適切な硬さを選ぶ販売方法は他メーカーでもやっていない試み。
「三つ折りにしたい」「持ち運びたい」という人には少し不便なところもあるのですが、据え置き予定ならぜひ選択肢に入れてほしいですね。
(モットンも一応三つ折りにできるのですが、少し手間がかかります)
寝心地とは関係ありませんが、限りなく白く高級感のあるベロア調カバーはとても美しくベッドでも床や畳でも映えます。
【関連記事】腰痛対策マットレスモットンを1年間使ってみた口コミ評判
マニフレックス「イルマーレウィング」
マニフレックスという名前を聞いたことがある人は多いはず。
というのも、イタリアから始まった寝具メーカーであり、日本だけではなく世界75カ国で販売しているという圧倒的な実績を持っているから。
プロのスポーツ選手にも愛用している人が多いメーカーとしても有名です。
そんなマニフレックスは日本の生活風土に合わせて「三つ折り」や「敷き布団風」のマットレスを多数展開しているのが特徴。
中でも「イルマーレウィング」は両面で違う硬さとなっており、好みに合わせて使い分けられると人気のモデルです。
保証期間は10年間と異常なほどに長いうえ、価格はシングルサイズで3万 台と「高品質な寝具の提供」において頭ひとつ飛び抜けたメーカーと言えるでしょう。
【関連記事】マニフレックス イルマーレウィング購入!口コミ評価レビュー
ライズ「スリープマジック」
ライズは日本の寝具メーカーですが、西川産業などの老舗と比べると若い企業。
しかし、新しいメーカーならではの斬新かつ機能性に優れた寝具をリーズナブルに提供することで徐々に注目を集めています。
僕が買ったモデルは「スリープマジック」という硬質ウレタンにブロック加工を施したもので、ウレタンマットレスとしてトップレベルの通気性の良さを感じました。
寝心地は硬めですが、身体の芯がしっかりと安定する寝心地の良さなので、モットンやマニフレックスとは違う特徴があると言えますね。
ちなみにマットレスの厚みは13cmもあり、Z字にすると自立するメンテンナンス性の高さも特徴です。
他にもポリエチレンファイバーを使った水洗い可能なマットレスなど「これからの日本の先端を走る寝具メーカー」として期待しています。
【関連記事】ライズの高反発マットレス!スリープマジック購入レビュー
さいごに
耐久性にも注目しよう!
体圧分散性が適切であったとしても、すぐにヘタってしまうような品質では一時的なもので終わってしまいます。
マットレスは長く使うからこそ「機能性」だけではなく「耐久性」にも注目して下さいね!
参考になれば幸いです。