ウレタンメーカー「イノアックリビング」と繊維メーカー「東洋紡」のコラボ製品である「涼×暖」敷ふとん。
季節や気分に合わせて両面を使い分けられるニュータイプの敷布団ですね。
このシンプルながら高機能なマットレスを分析してみたいと思います。
「涼×暖」敷ふとんの特徴とポイント
高反発ポリエチレンファイバーと高反発ウレタンの両立
東洋紡のポリエチレンファイバー繊維「ブレスエアー」とイノアックのプロファイル加工高反発ウレタン「カラーフォーム」を合体。
両企業が培ってきた技術を片面ずつ体感できるのは面白い仕様ですよね。
この両方には寝心地の特徴があり、簡単にまとめると以下。
- ブレスエアー・・・高反発かつ硬めの寝心地、通気性抜群で寝苦しい夜にも最適
- カラーフォーム・・・高反発かつ柔らかめの寝心地、プロファイル加工(凹凸加工)により理想的な体圧分散性
季節的に分けるならば・・・春夏はブレスエアー面、秋冬はカラーフォーム面が適しているでしょう。
カラーフォームはウレタンのN値(ニュートン値=硬さの数値)が表示されていないのですが、そこまで硬めではないと思いますね。
プロファイル加工は他メーカーと比べて凹凸の山が低めなのがポイント。
凹凸が高いと斜めや横からの力に対して弱く亀裂が生じやすいですが、低めだと点で支える特徴を維持しつつ耐久面でもメリットがあると考えます。
厚みは10cmと8cmの2種類!どちらがいい?
「涼×暖」敷ふとんは厚みが10cmと8cmの2種類ですが、ブレスエアーとカラーフォームの厚み割合は異なっています。
「涼×暖」敷ふとん10cm
- 側生地(カバー)1cm
- ブレスエアー5cm
- カラーフォーム3cm
- 側生地(カバー)1cm
カバー分で上下1cmずつ、合計2cmを加えているためマットレス厚さ分フルで芯材が使われている訳ではありません。
また、カラーフォームは3cmですがプロファイル加工されているため若干ブレスエアーの硬めな寝心地が食い込んでくる感じでしょう。
100%ウレタンフォームのマットレスに寝た時の感覚とは少し異なる寝心地になりそうですね。
ブレスエアー面は5cmと厚み的には一般的だと言えます。
10cm厚の価格は29 800 で、個人的には高性能素材・加工を両面に配しておきながらこの価格に抑えたのは高評価。
「涼×暖」敷ふとん8cm
- 側生地(カバー)1cm
- ブレスエアー3cm
- カラーフォーム3cm
- 側生地(カバー)1cm
8cm厚だとブレスエアーの厚みが3cmになる以外は変わりません。
この厚みだとマットレスというより「マットレスパッドを2枚重ねてマットレスにしました」という感じですね。
価格は1万 下がり19 800 なので「たった2cmの差なら1万 安い8cmで良いのでは?」と考えたくなる気持ちもありますよね。
しかし、僕が買うなら迷いなく10cm厚タイプですね。
なぜなら「ブレスエアーの3cmと5cmの差は長期的に使うことを考えたとき、耐久面で1万 の差はある」と感じるため。
加えてブレスエアーの様なポリエチレンファイバー繊維を用いた素材は空洞があればあるほど通気性が良くなります。
つまり3cmと5cmなら、5cmの方が通気性の面で有利でしょう。
「涼×暖」敷ふとんについての疑問
ブレスエアー部分は水洗いできるのか?
ポリエチレンファイバー繊維は耐水性があり水洗いができます。
ブレスエアーもまた水洗いが出来る素材ではありますが、「涼×暖」敷ふとんについては水洗いを想定・推奨はしていません。
というのも、ブレスエアー面とカラーフォーム面(ウレタン)が接着されている場合カラーフォーム面は水洗い不可であるため。
もし両面が分離できたとしても、シングルサイズのブレスエアーをお風呂場に持ち込み洗うのは少し大変でしょう。
三つ折りマットレスであれば芯材が3分割されるためお風呂場への持ち込みや乾燥もやりやすいです。(体験談)
ちなみに側生地(カバー)は洗濯機で洗えますのでご心配なく。
「涼×暖」敷ふとんは三つ折りにすることは出来るものの、芯材自体は1枚なんですよね。
このようにすることで芯材的には完全にマットレスなんですが「敷布団っぽさ」を出すことができます。
これはあくまで僕の推測ですが「よくある三つ折りマットレスの形だと、その上に何も敷かずに寝ることに抵抗がある」という部分からこういうスタイルの敷布団(みたいなマットレス)が出てきたのかなぁと。
日本では昔から「マットレスの上に敷布団」というスタイルがありますから、それに慣れている人達からすると昨今の高機能マットレスって「えぇ!マットレスの上にそのまんま寝るの?」みたいな印象を持つ気がするのです。あくまで想像ですが。
他にも似たような仕様の製品はあるの?
「「涼×暖」敷ふとん気に入ったけど、他にも似たような製品はあるのかなぁ」とお思いの方もいるでしょう。
片面ポリエチレンファイバー(エア系)、もう片面違う素材という製品であれば「トゥルスリーパーcero(セロ)」があります。
これも「涼×暖」敷ふとんに近い感じですが、ウレタンではなくファイバークッションという硬綿素材が使われているのが特徴。
また、トゥルースリーパー系は基本的にトッパー(既存の敷布団やマットレスの上に敷く寝具)なので、厚みが薄いです。
このトゥルースリーパーセロも厚みが5cmですから、両素材あたりの厚みも2cm程度ではないでしょうか。
これでは1枚で使えば底づきしやすい上、耐久面でもあまり期待しない方がよいかもしれません。
価格は22 800 ですが、個人的にはこちらを選ぶなら「涼×暖」敷ふとんの方が満足度は高いでしょう。
【関連記事】トゥルースリーパーの種類まとめ!寝心地に違いはあるか比較
さいごに
エア系マットレスの新しい選択肢!
エア系マットレスも各メーカーから販売されていますが、意外と似たり寄ったりな製品が多いんですよね。
そんな中でこの「涼×暖」敷ふとんのようなスタイルは1枚で2度おいしい日本人好みな仕様だなぁと思います。
エア系マットレスの新しい選択肢として今後も目が離せませんね。
参考になれば幸いです。