いつのまにか寝具業界でポジションを築いている高反発素材。
2000年頃には低反発ブームが到来していましたが、今は素材として定番化した代わりに高反発が人気を得ています。
低反発はウレタン素材だけでしたが、高反発はウレタン・ラテックス・ファイバー・ジェルと多種多様な素材があるのもポイント。
この記事では高反発枕について「素材の違い」「肩こりへの影響」「低反発枕との違い」「おすすめの高反発枕」を解説していきます。
高反発枕の素材は主に3種類+α
ウレタン・ラテックス・ファイバーで異なる特徴
高反発といえども、枕として用いられる素材は主に3種類あります。
ウレタン独自の柔らかさを持ちながらも、反発力のある寝心地。型崩れしにくく耐久性も抜群。加工も容易で人間工学的な形状の枕も数多くある。水洗いは基本的に不可能。
通気性:
耐久性:
種類の豊富さ:
主にゴムの木から採れるラテックスからなる素材。高反発ウレタンとは異なるゴムっぽい弾力性があり、耐久性にも優れる。ゴムアレルギー持ちは使用を控えること。水洗い不可。
通気性:
耐久性:
種類の豊富さ:
太い釣り糸のような素材が複雑に絡み合い構成される素材。通気性が極めて高く、弾力性も高い。頭が蒸れないので寝苦しい日にもおすすめ。水洗いすることができる。
通気性:
耐久性:
種類の豊富さ:
通気性や耐久性は素材品質や加工・製法にもよる
高反発ウレタンも同様だけど、通気性の良い無膜ウレタン(オープンセル)って種類もあるため一概には言い切れない面もある
そしてもう1つ、単体で使われることは少ないながらジェル素材も高反発に分類されると考えられるでしょう。
「耐震ゲル」のようなジェルシートをウレタン枕に貼り付けたものから、ジェル素材をウレタンに混ぜ込んだものも存在。
硬さや密度を自在に変えられ、さらに加工が容易で他素材とのコラボも叶うウレタンは寝具素材として「いかに万能であるか」がわかりますね。
高反発枕は肩こりに良い?悪い?
頭や首を理想的な状態で支えているかどうかが大切
結論から言えば、現存する枕に関して「この素材だから肩こりに良い(あるいは悪い)」ということはありません。
なぜなら同じ素材でも「高さ」や「安定感」が違えば不調を訴える人・快適になったと喜ぶ人が一定数現れます。
中には「じゃあ枕素材なんてなんでもいいじゃん」と思う方もいるかもしれません。
しかし異なる素材同士が同じ高さであっても、素材によって沈み込み具合が違うので寝た時の印象はかなり変わるもの。
例えば同じ高さのマシュマロとコンニャクを(一定の力をかけて)指で押したとして、最終的な高さは同じじゃないはずです。
マシュマロは指を押し込むとじっくり沈み込み形状が変わる低反発系。
こんにゃくは指を押し込むと強めの反発があり形状もさほど変わらない高反発系。
つまり、どの素材を選んだとしても「沈み込みを考慮した最終的な高さや形状の確認」が重要だと言えます。
とはいえそれを言い出すと徹底的に枕をフィッティングしなければならなくなり、手間と時間がかかるでしょう。
そのため枕を選ぶなら「高さ調節機能があること」を1つのセーフティとして意識するのが良いと考えています。
素材による沈み込みでしっくりこない場合でも、その上で枕の高さを調節すれば理想的なポジションを得やすいため。
また、マットレスにおいては「腰が沈み込む」と避けられがちな低反発ウレタンですが、枕であれば意外と良い面もあります。
低反発枕と高反発枕の違い
低反発ウレタンは沈み込んでフィットする
高反発枕と低反発枕の違いを一言で説明すると下記になるでしょう。
低反発と高反発の違い
- 低反発・・・沈み込みが深い / 温度変化に弱い
- 高反発・・・沈み込みが浅い / 温度変化に強い
先程の「マシュマロとこんにゃく」の例と同じですが、およそ低反発ウレタンの方が沈み込みが強くなる傾向にあります。
また、低反発素材は温度変化に弱く寒い環境では硬くなりやすいのが最大のデメリット。
高反発枕はこのような特性はなく温度変化に強いと言えます。
そして一般的な低反発素材のメリットとしては「素材自らが高さ調節する機能を有していること」だと言えるでしょう。
自ら好きなポジションで留めることはできませんが、素材が荷重(頭に)に合わせて理想とするポジションに導く利点があります。
低反発枕は「個人に合わせて理想の高さまで沈み込めるか」で性能差が生まれ評価の決まるポイント。
素材品質やその点の考慮がなされていない格安低反発枕だと寝心地に納得がいかないことも多いでしょう。
ただ、低反発枕だからとって必ずしも全部沈み込みやすいわけではない点に注意してください。
自身の経験上、低反発ウレタンであっても高反発並に沈み込まない枕もありました。
高反発枕と低反発枕・おすすめの選び方
どちらの寝心地に安心感があるか
最終的に自分はどちらを選べばいいのか?
そんな疑問に答えるべく2つの派閥を用意しました。
子供の頃はスライムや練り消しなど柔らかいものが好きだった。
低反発枕がおすすめの人
- フィット感のある枕が好き
- 沈み込みが深いと安心感がある
- 枕で蒸れを感じたことが少ない
子供の頃はアルミホイルを叩いてボールを作ったり、スーパーボールが好きだった。
高反発枕がおすすめの人
- フィット感のある寝心地は嫌だ
- 沈み込みが深いと寝返りしにくい
- 汗をかきやすい、蒸れやすい
緊張したりストレスのある環境では良い睡眠を得られません。
逆に言えば「安心感・落ち着く」といった自分がリラックスできる状態を得やすい素材を選ぶべきだと考えます。
高反発枕のおすすめランキングトップ8
最後に高反発枕のおすすめをまとめていきたいと思います。
先程の章で「自分は低反発枕のほうが好きかも」と思った方にも最適な「沈み込む柔らかさが気持ちいい高反発枕」もラインナップしました。
枕選びの参考になれば幸いです。
1位 めりーさんの高反発枕
高反発ウレタン / 12 800
マットレスでも高評価を得ている寝具メーカーモットンジャパンによるロングセラー枕。
日本メーカーならではの緻密さを感じられる製品設計ながら、大胆かつインパクトな視点と洗練されたデザインを兼ね備えています。
特徴は大小合わせた6枚の調節シート。
これにより枕が構成され、最大50通りの高さ調節を可能にしています。
これ1つで「高さの違う50個の枕を試している」と言っても過言ではありません。
中材の高反発ウレタンフォームは1シートずつ丁寧にインナーカバーへ収められており、劣化しにくいのも高評価。
枕の形状に目新しさはありませんが、カバーのベロア調による品の高さが伺える一品です。
こんな方におすすめ
- 枕の高さで不安を感じたくない方
- どこまでも自分好みに調節したい方
- 高品質枕でもリーズナブルな製品が良い方
【レビュー記事】めりーさんの高反発枕の口コミ!圧倒的調整力で肩こり対策!
2位 マニフレックス DMグランデ
高反発ウレタン(ジェルフォーム)/ 21 600
イタリアが生んだ世界規模の寝具メーカーであるマニフレックス。
プロアスリートの世界にも愛用者が数多く存在し、自分もまたマニフレックスのベッドとマットレスを所持してその寝心地の良さを知りました。
マニフレックスはマットレスのみならず枕での評価も高いのですが、特にマニフレックスの大ヒット枕「ピローグランデ」が人気。
「DMグランデ」はそのピローグランデにマニジェルフォームをミックスした進化版と言えます。
高密度特殊素材「エリオセルMF」がメインで使われており、高反発ながらすごく柔らかい沈み込みのある寝心地です。
低反発のような寝心地を求めるならマニフレックスの枕シリーズは検討する価値があるでしょう。
高さ調節機能は有していないにも関わらず、寝心地に高い評価を得ているのはさすがマニフレックスといった所。
こんな方におすすめ
- 海外ブランドの寝具が欲しい方
- 寝心地は妥協したくない方
- 大きくてリッチな雰囲気のある枕がいい方
- しっとり沈み込む寝心地が好きな方
3位 テクノジェル デラックスピロー2
ウレタン+ジェル:24 840
テクノジェルは明確に高反発ウレタンとは明記していませんが、表面に貼り付けているTechnogel®はなんとも言えないモチモチ具合です。
手で触る分にはプニプニと沈みますが、頭など面で受け止めた時は適度な沈み込みとなるでしょう。
もともとは医療用素材として用いられたTechnogel®ですが、寝具に応用することで頭の動きに追従する理想的な支持力を発揮します。
とはいえ通気性面ではすぐれないため、通気孔を設けて改善を図っているなど工夫も感じられますね。
デザインも優れますが、ジェルは枕カバーで隠れてしまうので日常使う上で見た目にはわからないのが少し惜しい所かもしれません。
価格が2万 台半ばに割り込むため良い枕とはいえ少し悩む所です。
4位 ラテシア ロイヤル ラテックス枕
天然ラテックス100%×エルゴノミック 18 900
天然ラテックス100%をワンモール工法で枕に仕上げた高品質路線のラテシア。
ラテシアロイヤルは頸部を支える形状にプラスしてプロファイル加工(凸凹)が特徴です。
カバーは好みが分かれるデザインながら、カバーなしモデルも販売しているので心配は無用。
ラテックス素材に興味がある方は候補に入れておきたいメーカーと言えるでしょう。
5位 ジェルトロン ピローマイズ
ジェル / 20 520
ジェルと言えばウレタンに貼ったり混ぜたり・・・というのが多い中、こちらはジェルの塊で出来ています。
下部の黒い部分は高さ「調節用フォーム+サイドアップパーツ」でありながらも、枕の大半がジェルであるのは珍しい仕様と言えるでしょう。
ジェルトロンは他のジェルと違い、かなり柔軟性の高いものを使用しておりその寝心地にも独自性を感じられます。
「メガネをかけたまま横向き寝」「ポニーテールで仰向け寝」でも違和感がない程に形状変化能力に富んでいるのは驚きでした。
6位 muatsu Sleep Spa(ムアツ スリープスパ)高弾性タイプ
高反発ウレタン / 12 960
昭和西川のムアツ枕の中でも特にグレードの高い「スリープスパ」シリーズ。
見ての通りプロファイル加工(凸凹)がなされているのがカバーの上からでもわかりますよね。
高さは「ハイタイプ」と「ロータイプ」があり、さらにその中で「高弾性タイプ」「高通気タイプ」「低反発タイプ」と3種類があります。
つまり、全6種類がラインナップされているということ。
それぞれ初期特性が違うものの、枕には厚さ1cmの高さ調節シートが2枚付属しており、そこから更に微調整も可能です。
【レビュー記事】西川ムアツまくら「スリープスパ」口コミ購入レビュー
7位 the Pillow(ザ・ピロー)
高反発ファイバー /:8 980
8 980 と他よりもリーズナブルながらも、安定感の感じられる枕が「ザ・ピロー」です。
高反発ファイバー素材を用いているため水洗い性能と、反発力の高さ、通気性の良さを兼ね備えているのが特徴。
枕自体はやはり価格なりの質感が見て取れるため、あと5千 プラスして1万 台前半を検討した方がよい場合もあるでしょう。
寝心地が硬めで、流動性はありませんが「そば殻やパイプの仲間」とイメージした方が良いかもしれません。
8位 リテリー エクストラクリーン
高反発ファイバー /:16 200
独自の高反発ファイバー素材であるLITEWAVEでマットレスや枕を販売するリテリー。
このエクストラクリーンシリーズピローは「硬め」「柔らかめ」それぞれ2枚、合計4枚のシート状LITEWAVEからなる枕です。
そのためシートを入れ替えて高さを硬さを調節できるのが特徴。
見た目も内部構造もシンプルで、かつ水洗いできる点から「エクストラクリーン」という訳ですね。
価格は16 000 と同性能を誇る「ザ・ピロー」の倍であるため、高反発ファイバー枕を選ぶ際には考慮が必要ですね。
さいごに
高反発枕は「長く使える」品質にもこだわろう
高品質・高性能な寝具って長く使えるんですけど、値段が高いのがネックなんですよね。
でも、毎日使うからこそすぐにダメになるような枕ではなく「毎日安心できる高品質枕」を選んでほしい。
「あぁ、良い寝具ってやっぱり違うな」という実感を得てもらいたいので、どうしても価格帯が高くなりがちですが参考になれば幸いです。