テンピュールといえば低反発ブームがあった2000年前後からずっと第一線にいるメーカー。
枕・マットレス両方で知名度が高いため「良い寝具」というとテンピュールをイメージする人もいるほど。
この記事では「テンピュールのマットレスって腰痛にいいの?」という疑問を持つ方へ参考になる情報を伝えたいと思います。
腰痛対策にテンピュールを選ぶべきか?
テンピュールにこだわる理由を明確に
腰痛対策において、テンピュールの寝具は「悪くない」と考えています。
それは、高品質な寝具メーカーとして存在するテンピュール製品の品質や実績を考慮してのもの。
しかし「腰痛対策にテンピュールを選ぶべきか?」と尋ねられると「はい」とは言えません。
なぜなら、僕にとって「テンピュールじゃなければならない理由」がないからです。
いまこの記事をお読みの方で「良いマットレスが欲しいと思っていて、テンピュールを候補にしていた」のであれば「それは何故か?」を問いたいですね。
- 価格が予算内だから
- なんとなく良さげなメーカーだと思ったから
- 知っている寝具メーカーだから
- 知人友人からおすすめされたから
- 店舗で見かけて気になったから
恐らくこの中に理由がある方も多いでしょう。
しかし、上記の理由だけでは少し決定打に足りず、後悔が生まれる可能性もあります。
テンピュールを知り、他メーカーも知る
寝具メーカーはたくさんあり、どのメーカーもそれぞれ違う特徴のある製品を持っています。
それらを知らずに何万 もする寝具を買うのは結構チャレンジャーな行為だと思うのですね。(お金が有り余っているなら良いのかもしれませんが)
そもそも「テンピュールってどんな特徴があるのか?」すらわからないのでは無駄遣いに終わる可能性すら出てきます。
テンピュールが腰に良いかどうかではなく「自分にとって選ぶべきマットレスかどうか」を見極めることが大切。
それを知るためにはテンピュールの特徴はもちろん、テンピュール以外の寝具メーカーも知っておく必要があります。
といっても勉強ではないので気楽に構えてくださいね。
「ここのメーカーはこういうのなんだ〜」と見ているだけでも面白いですし、お気に入りの1枚が見つかるはずです。
テンピュールのマットレスについて
テンピュール素材は高反発ではない
テンピュールが売りとしてアピールしている「テンピュール素材」はNASAが宇宙飛行士のために開発された素材が元になっているという話は有名です。
ウィキペディアにも下記のような記載がありますね。
1960年代にNASAがスペースシャトル計画の中で宇宙飛行士の体にかかる重力を和らげるために開発された素材ヴィコエラスティックホームを基に、スウェーデンのファゲダーラ社が商品化したもので、[2]独自の特性で体温と体圧を感知し、ゆっくり沈み込み体の一点に集中しがちな圧力を均一に分散させる素材である[3]。
引用:Wikipedia
このような説明を見ると、最先端な素材に思えてくる人もいるでしょう。
実際テンピュールはこの「NASA」「宇宙」といったキーワードで寝具としての先端性をうまくアピールしました。
ですが、一言でいえばこの素材は「低反発フォーム」であるとも言えるのですね。
昨今、腰や体全体の負担を軽くすると人気の「高反発素材」ではないという点を理解しておく必要があります。
低反発素材のメリット・デメリット
低反発素材のメリットはなんといっても「身体に合わせて沈み込む柔らかさ」です。
まるで自分の身体の型を取ったかのようなリアルな沈み込みをするため、わかりやすいフィット感を得ることができるのですね。
低反発ブームがあったとき、実演販売士の方はみな自らの手を沈めて「ついた手形がゆっくりと復元する様子」をアピールしていました。
しかし、使用者の身体に合わせてフィットすることと理想的な寝姿勢(背筋を伸ばして直立したような姿勢)は別物。
個人個人の「寝姿勢の悪いクセ」をそのまま受け入れてしまうのはデメリットと言えるでしょう。
さらには低反発ブームに乗じて品質を落とした粗悪品も登場し「余計に腰が悪くなった」「低反発は腰に悪い」などの声も。
また、低反発素材は「気温や体温で硬さが変わる」という特性があることも厄介です。
寒い地域と暖かい地域、あるいは寒い室内と暖かい室内で同じ製品であっても寝た時の印象がガラッと変わるのですね。
- 寒いとき・・・ガチガチで硬い(人が乗った部分だけ氷が溶けたように柔らかくなり沈み込み始める)
- 暖かいとき・・・とても柔らかい(沈み込みが強く、さらに蒸れやすい)
実際に自分も低反発マットレスを使っていた時期がありましたが、寝室が寒かったので寝る前はいつも硬かったですね。
30分位すると自分の乗っている所だけは柔らかくなるものの、寝返りが打ちにくいのです。
テンピュールも進化している
低反発ブームが2000年頃だとすると、もう10年以上経過しています。
個人的には「さすがに昔と全く同じモノを売っている訳ではないだろう」と考えていますね。
テンピュール素材自体は変わらないと思いますが、違う素材も色々あるので以前よりはデメリットを解消しやすい環境でしょう。
例えば、テンピュールの「フトン」という床や畳に直敷きできるシリーズでは芯材が2層構造になっています。
全体厚は6~7cm位なのですが、上層が「テンピュール素材」で下層が「高耐久ベース」という別の素材になっています。
両素材は大体半分くらいずつなので「テンピュール素材のフィット感を保ちながら、沈み込みすぎない適度なバランス」にたどり着いているのかもしれません。
マットレス自体は高品質に分類
テンピュールのマットレスはお値段もそこそこ高いぶん、品質は全然悪くありません。
正直「寝具が原因の腰痛対策としては特に問題がないクオリティなのでは?」と思いますね。
ただし、低反発独自の「寒いと硬くなる」という部分に不快感を持つ人も多いため考慮する必要はあります。
加えて「高反発マットレスという存在がある現在、あえて低反発のテンピュールを選ぶ理由」については明確にすべきでしょう。
単純に「ブランド感がある」だったり「テンピュールしか知らないから」という理由では後悔する可能性大。
特に腰痛対策においては純粋な高反発マットレスの方が体圧分散性の点でも評価が高い傾向にあります。
さいごに
せめてあと3メーカーは比較したい
どのメーカーにも主力マットレスがあり、それらと比較したのちに決定したいですね。
やっぱり1つしか見ないと購入後に不満があったとき「あのメーカーにしておけばなぁ」とかって後悔しちゃいますから。
下記記事では人気の寝具メーカーをまとめているので、こちらも参考になれば幸いです。