いびきは横向きに寝ると改善されるといいますが、中には「横向き寝にしてもいびきをかいてしまう」「横を向いても止まらない」と悩んでいる人も多いでしょう。
とはいえ「ちゃんと横向き寝ができていない人」もいれば「横向き寝以前の問題」を抱えている人もいます。
この記事では横向き寝についてもう一度おさらいした上で、それでもいびきをかいてしまう場合について解説しています。
いびきに横向き寝が推奨される理由
気道(空気の通り道)が狭くなるのを防ぐ
そもそもなぜ横向き寝がいびきに良いと言われるのかというと、気道が狭くなるのを防ぐためだと言われています。
仰向けに眠ると舌の根元や軟口蓋(上顎にあるやわらかい部分)、口蓋垂(のどちんこ)が重力によって落ちて気道が狭くなりやすいとのこと。
個人的に「仰向け寝と横向き寝では気道にどう違いがあるのか?」を考えたところ、下記のようなイメージが浮かびました。
いびつな形の輪が気道だと思って下さい。
仰向け寝の場合、”のれん”のように上から下へ落ち込んでくるため空気の通り道が少なくなり、さらに空気が通るとブルブル振動していびきに。
横向き寝の場合は重力のかかる方向が変わるため落ち込みが仰向けよりも少なく、結果空気の通り道が大きくなりいびきが発生しない・・・みたいな。
僕は人体構造や医学の専門知識を有していないので単なる想像ですが、概ね間違っていないでしょう。
横向き寝でいびきが治らない場合に考えたいこと
「横向き寝は効果がない!ダメだ!」と考える前に「自分はちゃんと横向きで眠れているのか?」を見直してみる必要があります。
たとえば下記のような事がポイント。
横向き寝チェックポイント
- 寝ている間に仰向けになっていないか?
- 横向き姿勢が辛くないか?
- 枕は横向きに最適な高さがあるか?
人は一晩に何回も寝返りを打ちますが、それは体温調節や一箇所に圧力がかかるのを分散するため。
つまり「寝返りは必要なこと」だと考えられており、無理やり横向き寝で固定してしまうのは問題があるかもしれません。
人はふつう、一晩に20~30回の寝返りを自然にうつといわれています。
寝返りには約90分周期で訪れる浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)の切り替え時に行われ、規則的で安定した睡眠を得るためのスイッチのような働きを持っています。また寝返りによって就寝中の姿勢を変えることで、体がゆがまないよう予防したり、日中のゆがみを矯正したり、体の下側に滞った血液やリンパ液の循環を促す役割もはたしています。
横向き寝がダメだったという人は「実は寝返りで仰向け寝に戻っている」という可能性もゼロではないでしょう。
仰向けで固定されてしまうとしたら何故か?
そもそもですが「横向き」には右向き左向きがありますが「仰向け」は真ん中なので1つですよね。(180°回ればうつ伏せですし)
であれば「寝返りを打った時に仰向けで止まってしまう可能性」にも目を向けてみたい訳です。
例えば右向きで寝始めて、寝返りを打ってそのまま左向きになれば「仰向け」は通過点でしかありません。
もし仰向けで固定されてしまう原因をあるのならば、それを正すことで一晩中横向きかつ寝返りを邪魔せずいられるのでは?と。
仰向けで止まる理由(推測)
- 寝返りのしにくい寝床
- 寝返りのしにくい寝具
- 仰向けで落ち着く枕
例えば夫婦が二人で寝ていて「隣に人がいる」とわかる場合はダイナミックな寝返りは無意識に抑えてしまうでしょう。
であれば、動ける範囲は相手がいない側の横向きか仰向けのみ。
また、仰向けの寝姿勢でぴったりハマる(落ち着く)ような寝具(敷布団やマットレス・枕)だと横向き寝で違和感があるかもしれません。
違和感があれば横を向いても仰向けに戻りたくなりませんか?
横向き寝のままでもイビキをかいてしまう場合
もし横向き寝のままでもいびきをかいてしまうのが確認できた場合「横を向いてもなお気道が狭められている状態」と推測できます。
例えば肥満の人や妊娠等で急激に体重が増えた人は首周りに肉が付き気道を圧迫しやすいと言われます。
このうち中高年のいびきの原因で、もっともよくみられるのが肥満です。
肥満になると、舌やのどの内側にも脂肪がつくため、のどが狭くなりやすいのです。
であれば「何らかの原因で気道が狭くなりがちな人」は横を向いた程度では気道を十分に確保できないので、それを解決するのが先決。
「いびきは口呼吸が原因!鼻呼吸にすべし!」なんて解決策もよく挙げられますが、口も鼻も単なる出入り口ですよね。
その先にある気道が狭いことに問題があるとすれば、どちらを取っても根本的な対策にはなりにくいと言えます。
むしろ「鼻呼吸だと取り込める酸素量が少なすぎて苦しいから口呼吸になってイビキもかく」ということであれば結構理に適っているような気もしませんか。
そんな状況で”いびきシール”などを使い鼻呼吸を強制させても長続きはしないでしょう。
となれば「ダイエットにつながる生活習慣の改善」が本質的なイビキ対策として意味を成してくるハズです。
ポイント
首周や顎周りの脂肪は落ちにくい?
喉を圧迫している脂肪を落としたいと考えると、次は「部分痩せできるか?」が気になりませんか?
全身ダイエットよりも部分痩せで解消できるならそちらの方がお手軽そうに思えますよね。
しかし、首周りは脂肪の落ちにくい部位であると言われており、中途半端な部分痩せを望むのは無謀とも言えます。
本気で痩せたいと思うならCMで有名なライザップなどのフィットネスサポートを受けるのが堅実な手段でしょう。
できれば病院で診てもらう事をおすすめするよ。
今からできるイビキ対策って何かないの?
いびき対策グッズは誰にでもおすすめ出来る訳ではない
いびきに悩む人は多く、少し探せば数多くのいびき対策・ケアグッズを見つけることができます。
主ないびき対策グッズ
- いびきシール(いびきテープ)
- マウスピース
- いびきケアサプリメント
- 鼻の通りを良くする器具
しかし、ここで大切なのは「いびきの原因は様々で、特定のグッズが誰にでも当てはまる訳ではない」という点です。
前述したように、気道の狭まっている人が無理やり口呼吸を止めて鼻呼吸を頑張った所で苦しいだけですよね。
だからといって鼻の通りを良くした所で・・・鼻が詰まっているとかでなければ大差ないように思いました。
いびきケアサプリメントに関しては、コエンザイムQ10が喉周りの筋肉をケアするといいます。
とはいえ決して脂肪を減らす訳ではないので「気道が狭まっている」という事実は覆しようがありません。
このような対策グッズを使う場合は「自分に当てはまるかどうか?」を確認してからのほうが良いのは間違いなさそうです。
よく考えてから試そう!
横向き寝がしやすい・寝返りしやすい環境を整える
加齢による筋肉の衰えや飲酒(アルコール)によるのど周辺の筋肉の弛緩、肥満などによる原因は人それぞれです。
ですが「重力による落ち込みにより気道が狭まりイビキが発生する」という原因は誰にでも可能性がある避けがたい事実。
そして、その対策として「横向きで寝る」のは確かに認められている対策の1つです。
7. 睡眠時無呼吸症候群にはどのような治療方法がありますか?
まず、生活習慣の改善(減量、禁酒、禁煙など)が大切です。眠るときの体の向きを横向き~うつ伏せにすると改善する場合もあります。
つまり、予防策として「横向き寝を極めること」は無駄ではないと言えますよね。
「ネットやテレビで横向き寝がいいと聞いて、その日の夜に横を向いて寝てみたけどダメだった・・」ではなく、枕やマットレス・掛け布団から最適解を見直してみるのです。
例えば、横向き寝に適した枕があるのをご存知でしょうか。
「スリープバンテージ」や「みんみん」といった製品もありますが、個人的に所有している「YOKONE2」が一番クオリティが高いです。
横向き寝をしやすいポジションから導き出された特殊な形状であり、安定感はトップレベル。
もちろん形状だけではなく、ウレタン素材や枕カバーの品質も枕マニアの僕から見て申し分ないレベルでした。
このような寝具を取り入れることは「いびき」のみならず、快眠や眠りの質を良くしていく取り組みにも繋がるので一石二鳥と言えますね。
ポイント
抱き枕はダメ?
横向き寝を安定させる方法として抱き枕が挙げられます。
妊婦さんはお腹が大きくなると仰向けが辛くなり基本横向きでしか寝れなくなる(寝返りが打てない)ため、あまりデメリットを感じません。
しかし、私たちが使うにあたり寝返りが打てないことは時に悪影響となる場合もあるでしょう。
さいごに
いびき治療手術もある
いびき対策としての最終手段としては手術もあるようです。
とはいえ、できれば生活習慣の改善で解決していきたいですよね。
参考になれば幸いです。